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2023-02-20

満帆の家


敷地は阿賀野川の土手沿いからほど近い場所


実家から歩いて数mの距離にある、近隣の方所有の長年利用されることの無くなった田んぼを譲り受け、
親世帯との程よい距離感を保ちながら、自分たち家族が豊かに暮らせる住宅の計画である。

敷地の広さは充分すぎるほど余裕があったが、家族の暮らし方や、建築費用を抑えることなどを考慮し、
住宅の面積を最小限にしながらも、窮屈なくゆったりと生活ができるように計画を進めていった。

敷地の広さ、住宅の規模を計画していくと、必然と庭や外構スペースがゆったりと確保されたため、
その庭スペースと建物内部とを緩く繋ぐ干渉スペースとして、土間テラスを広く計画した。
そこには大きく屋根をかけ、半屋外的に利用できるようにした。
屋根には一部開口を設け、坪庭的な植栽スペースも設けることで、外部と内部を緩く繋ぐ役割を持たせている。

坪庭に面する内部空間には階段を計画し、蹴込を省いたストリップ状の階段越しにダイニングスペースを計画した。
また階段吹抜けに大きな窓も設け、1Fへの光が降り注ぐようにもしている。
毎日昇り降りする階段が、少しでも豊かな空間となるよう計画した。

2Fには子供たちのお籠もりスペースであるヌックを設えた。
わずか1帖の広さではあるが、大容量の本棚、TV台兼用カウンターを造り、窓開口も大きくとって、とても気持ちの良いスペースとなった。
その横には、家族がみんなで使えるカウンターデスクを設け、決して広くはない2Fホールのスペースを愉しみの場所へと変えた。
2Fはその他、各個室のほかに、たっぷりの納戸を設け家族の布団や、これから増えていく家族の思い出の品々を収納できる納戸を計画した。

阿賀野川からの豊かな風を受け、帆を張って、これからの家族の暮らしが順風満帆に進んでいくようにと願いを込めた住宅となっている。

『満帆の家』:専用住宅

 所在地  : 新潟市秋葉区七日町
 用途地域 : 指定無し
 防火指定 : 無し
 構造   : 木造軸組金物工法(耐震等級2)
 階数   : 地上2階
 最高高さ : 6.950M
 最高軒高 : 6.035M
 前面道路 : 5.0M(東側)
 敷地面積 : 330.35㎡
 建築面積 : 86.13㎡
 延床面積 : 109.32㎡(1F:66.26㎡ / 2F:43.06㎡)
 竣工   : 2023年9月26日
 Photo  : 星野 裕也
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