toggle
2020-03-28

記憶の傷

世間はコロナの影響で、沈みがちである。
海外製の部品や部材のストップにより、建築資材や設備機器などの生産にも影響が出ています。
それは記憶として残り、次への動きや対策として、全国産製品化や部品の省力化等につながるのであろう。

先日の3.11には東日本大震災が起きてから9年が経過した。
はや9年なのか、はたまた、まだ9年なのか。
それは人それぞれでの思いによって違うのでしょう。
皆の心には深い傷を負い、ネガティブな記憶となっている方々が多数いるかと思います。
でも、その記憶でさえも誰かが生きた証、誰かが踏んばった記憶。
過去から現在、そして未来へ。
誰かが次の世代へと語り継がなければならない。だれかが引き継がなければならない。

家や暮らしも時と共に家族の一部となり、あらゆる傷を残し、記憶へと移り変わる。
だからこそ、その傷をも愛しいと思ってもらえたらと日々感じています。

ご予算や施主様の意向にもよりますが、
家族の集う場所、特に食事の場所には、造作で作る、無垢板のダイニングテーブルをご提案する機会が多いです。

一枚一枚、木目の色合いや表情・大きさや厚みの違う板は、その時にしかない巡りあわせの瞬間です。

だからこそ既製品には無い愛着が沸いてきます。
一枚板なので、傷やシミが深ければ、削りなおすことも可能。
だからこそ食事だけでなく趣味や子供たちの勉強などいつも集まる場所で使い、
傷や汚れも記憶の傷として、残していってほしいと感じます。
そして、再生可能であり、その価値を失うことのないものは、
そのまま、あるいは形を変えながら、次の世代へと紡いでいってほしいと願っています。

造作の無垢テーブル作成だけのご相談でも承っております。
家族の想いでのきっかけのひとつとなっていただければ、嬉しいです。

関連記事