『静穏の家』

『静穏の家』:専用住宅

 所在地  : 阿賀野市緑町
 用途地域 : 一種低層(北側斜線制限・外壁後退有り)
 防火指定 : 法第22条区域
 構造   : 木造軸組金物工法(耐震等級2)
 認定長期優良住宅 Ua値:0.48 [W/㎡K] ηa値:1.5[W/(㎡・K)] 
 階数   : 地上2階
 最高高さ : 6.590M
 最高軒高 : 6.110M
 前面道路 : 6.1M(北側)
 敷地面積 : 247.34㎡
 建築面積 : 72.87㎡
 延床面積 : 106.00㎡(1F:64.59㎡ / 2F:41.41㎡)
 竣工   : 2020年1月29日

敷地は阿賀野市緑町の住宅地にあり、北西側に接道する奥行の長い敷地である。
一種低層住居地域に該当し、北側斜線制限と隣地境界線からの外壁後退がかかる敷地であった。
敷地や周辺環境の最初の印象は、とても静かで穏やか。そこに暮らす家族を思い浮かべながらボリューム検討、動線計画を始めた。
北側斜線制限により、前面道路からの建物高さを抑える必要もあり、ボリューム検討では、街に対して威圧感を感じさせないすっきりとしていて、ただただゆっくりと優しい時間が流れていくような、ひっそりした佇まいが合うのではないかと考えた。

前面には車を最大4台まで止められる広めの駐車スペースを確し来客にも備えた。
駐車スペースの奥に、家が静かに佇み凛と出迎える。
通りからの視線を遮るためと、外観をシンプルにスッキリさせるため、窓は最小限かつ風と光を有効的に取り入れる大きさと位置に設けた。

建物右側のトンネル状のポーチによって来訪者をやさしく包み込む。
ポーチの土間を少し広めに計画することで、自転車や小さなベンチ、将来的に宅配BOXなどを置けるゆとりのあるスペースとした。
その奥ではソヨゴをはじめとした植物が癒しを与え、優しく迎えてくれるだけでなく、建物にのボリュームに抜けと奥行を加えている。
玄関の向きも、ドアを開けると道路に向かないように配慮し、出かける際のワンクッションの安心感を与える計画とした。

玄関で靴を脱ぎ奥へ進むと、たっぷりと日差しが差し込む約20畳のLDKが広がる。
ダイニングキッチンとリビングとで天井高さに変化をつけるとともに、南面の庭に面したリビングの掃き出し窓で一気に外への開放感を与える事で、空間をより一層広く、そして豊かな雰囲気に仕立てた。さらにその効果を強調する為、周りの装飾や色あい、デザインは極限までにシンプルに抑えている。
冬には朝日や夕方も太陽光も積極的に取り入れるため、外壁材を白を基調とし、反射光を取り込む計画としている。
3方を隣家に囲まれた奥行の長いボリュームになる為、その他の部屋も極力明るさを保てるよう、太陽光シミュレーション検討や3Dパースなどで開口の検討を行っている。

間取りや動線計画においては、建物が奥行の長いボリュームになる為、
手前から奥へと進むにつれて、パブリックからプライベートな空間へと移り変わるように配置を考えた。
最初は玄関・外収納・パントリー・トイレ等のパブリック。
中間にLDK・階段。
そして一番奥に洗面・脱衣・浴室・ファミリークローゼットを配置した。
プライベート空間が奥にあることで、来訪者に干渉せず、安らいだ気持ちへ自然と切り替えられていく。
南面にも面しているので、洗濯→物干し→収納という流れで家事動線の簡略にも効果を持っている。
家事動線にストレスが無く、子供たちを優しく見つめながら、ゆっくりと時間が過ぎる日常になるような、そんな暮らしを想像した。

さらに2Fには各居室を計画するほかに、斜線制限により建物高さを抑える必要のあった部分をなにか利用できないかとも考え、約6帖の小屋裏収納スペースとして利用し、これから将来的に増えていくだろう荷物や、子供たちの作った作品・ひな人形・写真アルバム・来客用の布団などをたっぷりと収納できるようにした。