燦銀の家
都市部と畑などが混在する、東区の郊外。
阿賀野川の河口近くでもあり、ござれや花火が有名な津島屋地区での計画である
市街化調整区域ではあるが、使われなくなった田畑を宅地造成され、
世帯数が増えつつある場所の一画であった。
敷地は旗竿状で、手前の住宅との共有通路を要し、奥に広い形状であった。
敷地面積にゆとりがあり、敷地南側は隣家の畑となっていたため、
建物面積や採光計画には問題がなかった。
しかし、南面の畑作業などの人たちなどとの距離を考慮しながらも、プライバシーや採光などの確保をするかということ、
近隣に圧迫感を与えない建物のボリュームなどが課題であった。
建物は、屋根なりの勾配天井を要する吹き抜けを設けた、1Fと2Fが一つなぎの空間を要するボリュームとすることで圧迫感を脱ぎ去り、
必要以上の開口は設けず、大きな開口を1F LDK部分に集中させて、塀を設けることで、プライバシーを確保した。
さらに外壁は、建物が異質なものになりすぎないよう、ライトグレーに近いシルバー色の外観としている。
内部空間では、大きな屋根なりの勾配天井の吹き抜けは、1Fと2Fとを緩やかに繋ぎ、
開放感を持たせていることと、家族の気配が程よく感じ取れるようになっている。
さらに2Fの廊下部分の壁を木格子にすることで、2Fの奥の方まで、空間を意識できるようにしている他、
空調などの効率を高め、最低限の暖冷房で能力を発揮するようにしている。
キッチンでは、背面を造作の家具としてダイニング収納も兼ねて製作し、アイランド部分を使い勝手の良いメーカー製を採用している。
階段をスチール製作し、軽快な印象にしているが、
それにより、階段した部分が無柱状態のフリーなスペースとなったため、床を1段掘り下げ、2帖の畳スペースを設けた。
大空間のLDKとは対照的なそのスペースは、お子様の遊び場にもなり、ご主人の書斎スペースともなる。
家事や家族の動線もできるだけスマートかつ最短となるよう、
玄関横のシュークローゼットからパントリー → キッチン へと抜けられるようにした
2Fには、居室3部屋とたっぷりの納戸収納、トイレのほか、
家族共有のW.Iクローゼットを設けた。
寝室には吹抜け側に、開閉できる障子戸を設け、そこを介してさらに空調の効率化、視線の抜けを設えた。
『燦銀の家』:専用住宅
所在地 : 新潟市東区津島屋 用途地域 : 指定なし 防火指定 : 法22条区域 構造 : 木造軸組金物工法(耐震等級2) 認定長期優良住宅 Ua値:0.31[W/㎡K] 階数 : 地上2階 最高高さ : 7.200M 最高軒高 : 6.025M 前面道路 : 6.0M(北側) 敷地面積 : 247.06㎡ 建築面積 : 83.64㎡ 延床面積 : 117.59㎡(1F:71.22㎡ / 2F:46.37㎡) 竣工 : 2024年10月31日 Photo : 星野 裕也 / and wood 遠藤大樹